才色兼備の植物ウコン

るんるんウコンという植物について

ウコンはショウガ科、クルクマ属の多年生植物で、一般に高温多湿を好む南方の植物です。
その種類は50種ほどが確認されており、南アジアを中心にして、アジア、アフリカ、南アメリカの各大陸にわたり、広い範囲に自生しています。

aki_flower.jpgその花は白や薄い紅紫色などで、写真の通りとても美しい花であることがわかります。
自生地が亜熱帯・熱帯といった暑い地域であることからも推測できるとおり、栽培が盛んなのもやはり暑い地域です。国内では主に沖縄、種子島、石垣島、屋久島、奄美大島、鹿児島などで栽培されていますが、本土でも盛んではないものの栽培は行われていますし、観賞用に個人で栽培したり、身近なところでは植物園に展示してあったりもします。
クルクマ・アロマティカの花(日本ウコン産業株式会社様ご提供)


古代より香辛料・薬種・染料などとさまざまに用いられてきたウコンですが、日本では昔から主に生薬として用いられており、現在では春ウコン(キョウオウ)、秋ウコン(ウコン)、ガジュツ(紫ウコン)の3種が健康食品の原料としてよく知られています。

早い時期からウコンの栽培が行われてきた沖縄地方では、昔から肝臓の薬種として重用され、弱った肝臓の働きを回復させるために、身分を越えて用いられてきました。
とても暑い沖縄地方では、酷暑の夏を乗り切るためにウコンが役立ってきたのですね。
長寿県沖縄は現在でも、国産ウコンの主要産地で栽培が盛んです。

ちなみにカレー粉の黄色はウコンの中でも秋ウコンに豊富とされる色素成分クルクミンによるものです。料理に詳しい人ならば、クルクミンと言わずにターメリックと呼ぶ方が馴染みがあることでしょう。

美しいだけでなく、役に立つ能力をいっぱい持ったウコンは才色兼備の植物といえましょう。

途絶えることのないウコンの歴史

るんるん古代より連綿と続くウコンの歴史

ウコンの栽培の歴史は古く、インド東部地方では紀元前970年頃には栽培が始まっていたといわれています。時がたつにつれ、周辺地域へも栽培技術やその使用方法が伝わって、広く知られるようになってゆきました。
その後、西洋との交易が進むにつれて、ヨーロッパでは胡椒などと共に珍しい香辛料として高額で取引されるようになります。

日本では、江戸期以前、室町時代から中国大陸経由で渡来していたとされ、その頃は貴重な薬種として珍重されていました。一方、まだ独立国であった琉球国には1500年頃にウコンが渡来したようで、その後琉球では栽培が開始されます。
1609年になると、薩摩が琉球王朝を支配下ににおきます。その結果、日本におけるウコンの流通に大きな展開が生じます。日本の一部となった琉球から、琉球産のウコンの流通量は急速に増大していったのです。そして、ウコンは特権階級や富裕層の独占物から庶民にも馴染みの深いものに変わってゆきました。

そんなウコンも、明治以降西洋医学が浸透するにつれ、他の東洋医学起源の薬種と同じく衰退の運命をたどることになります。凋落したウコンは一部の漢方薬や、沖縄など一部の地方で民間療法的に用いられ、細々と生きながらえていたのです。
今日、西洋医学の弱点が様々指摘されるに至り、 自然の力を応用する東洋医学的な考えは再び脚光をあびています。そして、他の漢方素材と共に、 ウコンにも注目が集まっています。

何千年と生き延び、これからも生き延びてゆくであろうウコンにとって、100年やそこらの凋落はものの数ではなかったことでしょうね。

途絶えることのないウコンの歴史(2)

るんるんいにしえより重用されてきたウコン

ウコンそのものはそのまま、ボリボリと食するにはいささか難があるようです。
少し苦くて刺激があるというのは憶測ですが、あまりはずれてはいないでしょう。
生姜の一種ですしね。
普通はショウガ・ワサビののように、根茎を生のまますり下ろしたり、乾燥させたものを粉末加工したりして使用されます。

curry.jpg料理への利用は、ご存じの通り、香辛料などとして用いられてきたのですが、もう一つの利用方法として「薬種」というのがあります。
日本はじめアジアの各地で、貴重な薬種として長年にわたり珍重されてきました。

さまざまな香辛料と共に・・・(日本ウコン産業株式会社様ご提供)

漢方では、胸部痛・月経痛・打撲などの症状の治療に、ウコンの優れた働きを応用してきました。その他にも、利胆(胆汁の分泌促進)・健胃作用・肝臓の不調・胃炎や胃酸過多などに良いとされています。

このようにウコンは長く薬として用いられてきたのですが、生薬の分類、”上薬>中薬>下薬”の中でも特に優れた多く飲んでも副作用がなく命を養う「上薬」とされていました。
(実際には、極端な摂取をすると肝臓を痛めるとの話もありますが・・・)

日本では特に沖縄で馴染みが深く、「ウッチン」と呼ばれるウコン茶がよく飲まれています。
沖縄では、二日酔いを予防するために、お酒を飲む前後に好んで飲用するそうです。
その他にも、すりおろして飲料に混ぜたり、料理のスパイスに使用したりと様々に用いられているようです。

ウコンは鬱金とも表記されますが、この由来について中国の古書には、
「ウコンは黄金色をなし、これを酒に入れて憂鬱な気分を鎮めたところから鬱金という。」といったことが記されているそうです。
ウコンがお酒と相性が良いということは古くから知られていたのですね。

ウコンの成分

るんるんクルクミンに代表されるウコンの成分たち

ウコンから抽出される成分の代表格はご存知”黄色い粉末”ターメリック。健康素材の世界ではクルクミンといったほうがとおりが良いですね。
もちろん、ウコンにはそれ以外にも色々な成分が含まれていて、そのそれぞれがさまざまに有効な働きをするとも言われています。

ウコンに含まれる成分は大雑把に分けると、色素成分・精油精油成分・ミネラル・ビタミンになります。下に代表的なものを並べてみました。

色素
成分
クルクミン肝機能強化作用・利尿促進作用
精油
成分
ターメロン胆汁分泌促進作用
シネオール利胆作用、健胃・殺菌・防腐効果
α-クルクメン抗がん作用活性化、尿道結石・動脈硬化に有効
クルクモール実験的ではあるが抗がん作用の活性化
アズレン炎症や潰瘍を治す作用
カンファー強心作用
β-エレメン腫瘍増殖抑制
パラ・メチトル
イルカピノール
胆汁排出促進
ミネ
ラル
ミネラル類リン、鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウムなど
ビタ
ミン
ビタミン類ビタミンC、ビタミンBなど


これらの中でも表の一番上にあるクルクミンはやはり代表的な有効成分ですね。
胆汁の分泌亢進で肝細胞刺激して、肝機能の改善・機能維持に寄与し、内臓の中でも最大の代謝機能を持つ肝臓の健康に寄与するとされています。

このクルクミンは、秋ウコンには通常約3〜4%含まれているとされますが、春ウコンには秋ウコンの十分の一程度、紫ウコンにはクルクミンほとんど含まれていません。
しかし、春ウコン、紫ウコンにはテルペン系精油成分が含まれており、春ウコンと紫ウコンの健胃・血圧低下作用は、このテルペン系精油成分により発揮されると考えられています。

このように、ウコンはその種類によって作用の重点がことなり、それぞれの特長を生かすといろいろな効果が期待できる素材なのです。

また、ウコンは他の素材とブレンドされることも多いのですが、そのやり方次第でより効果的に用いることができることでも知られています。

ちなみにここにあげた成分は代表的なものなのですが、ウコンにはこの他にも、食物繊維なども含まれており、さらに未知の成分も存在するとされています。
このように、ウコンはさらなる解明が待たれる期待の素材でもあります。

春ウコン・秋ウコン・紫ウコン

るんるん春ウコン・秋ウコン・紫ウコンは三者三様

ウコンは50種くらいの仲間が確認されているわけですが、日本でよく知られているのは、ハルウコン・アキウコン・ムラサキウコンの三種です。
春ウコンはキョウオウ、紫ウコンはガジュツとも呼ばれますが、名前の違いだけでなく、この三者の成分比にはかなり開きがあります。
たとえば、下の表を見ると、秋ウコンと春ウコンのみ取り上げても、かなりの違いがあるのがわかります。
 秋ウコン春ウコン
クルクミン3.6%0.3%
精油成分1.0%6.0%
ミネラル0.8%6.0%

秋ウコンには肝機能を強化するクルクミンが多く含まれていますし、春ウコンは豊富な精油成分・ミネラルが含まれています。

また、紫ウコンにはクルクミンはほとんど含まれていませんが、シネオール・アズレン・カンファなど精油成分が含まれています。
ですので、秋ウコンは肝臓強化を目的として服用、春ウコンは肝臓機能維持とともに、他の内臓も含めた全体的な健康維持、紫ウコンは、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状軽減や疲労回復、などを期待できます。

このように、ウコンの使い方はそれぞれの成分の特長に注目することが重要なのです。
肝臓強化・疲労回復・健康維持とそのどれもが、健康な生活に重要な役割を果たす要素なのですが、どの働きが自分に必要なのかを考慮してウコン類を用いることで、より効果的に健康に役立てることができるでしょう。
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